辿り着いた、その先に

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 ね? と念を押してくる彼女に、タツキは素直に頷けなかった。どうも自分は、とんだ誤解をされているようだ。タツキが返事をしないからか、クリアは不安そうな顔で彼の表情を覗き込んでいる。  普段の彼なら、クリアの言葉に対し、心の中で悪態をついて終わりだ。だが、今ばかりはそういう訳にもいかない。口に出して言わなければ、伝わらない事もあるのだ。  タツキはどちらかというと、こういった感情を素直に表すのが苦手な方だった。普段は何でも茶化してしまうので、真面目に話す事自体にあまり免疫がないのだ。生真面目な事を生真面目な顔で素直に言えてしまうレオンが、今は無性に羨ましい。 「……つーか、何。オレ、ああいう事誰にでも言うタイプだと思われてんのか?」 「え……違うの?」 「言う相手くらいは選ぶ」  今度はクリアが言葉を詰まらせた。一瞬視線が重なるが、彼女の方がすぐに逸らしてしまう。しばらくは押し黙っていたクリアだったが、不意にタツキの方を見ないままで笑顔になり、明るい声で話し始める。 「……お、幼なじみだから。そっか、そうよね。もう、脅かさないでよ。びっくりしちゃったじゃない」
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