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「待て、そこの女顔高身長男」
変なあだ名で呼ばれた僕は、そこから逃げようとして走り出した。するとお姉さん(と呼んでいいのかはわからないが)は、ある人を呼んでいた。
「軍曹!ターゲットが逃げたぞ!捕まえろ!」
軍曹って……さっきの人だよね? あの人、かなり強そうだった記憶があるんだけどな……
そう思いながら僕は、恐らく残り20m程の位置にある部屋の出口を目指して走り続けた。
しかし、そこにはいつの間にかあの軍曹が立っていたのだ。
「静音様が呼び止めているのに……なんと言う無礼を!」
軍曹は僕を捕まえようとして、道を塞いでいる。だけど僕には自信があった。避けきる自信が。
「さあ、大人しく捕まりなさ……い?」
「なにをやっているんだ軍曹!とっとと追いかけろ!」
僕は軍曹を避けきった。いや、軍曹が遅かったのかも? だけどそれもこれも借金取りから逃げ続けて身に付いた神崎クオリティなんだけど。
まあいいや! とにかく後は逃げ切るだけだ! 早く屋敷を出よう!
僕がそう思いながら走り続けていると、なぜか世界が反転した。
なにが起きたのかわからなくなった僕は、そのまま抵抗をすることが出来ずに床に身体を打ちつけられた。
すると、天井を見上げていた僕の視界に、なにやら見覚えのある顔が現れた。
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