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「あなたはあの時の……」
そう。麗さんを送ってきたときに軍曹ともう一人いた女性だ。
「そう、軍曹と一緒にいたメイドよ」
そう言って軽い銀髪の女性は、僕に手を差し出してきた。僕はその手を掴んで立ち上がった。
「とりあえず今は静音様の話を聞いておきなさい。きっと良いことがあるはずだから」
そう言ってその女性はどこかに行ってしまった。そしてその後すぐに、さっきの部屋にいた3人が僕のところにやってきた。
「なかなかやるな、坊主」
「軍曹は黙っていろ。さて女顔高身長男。そう、お前だ」
お姉さんは俺を指差しながらそう言ってきた。僕はさっきの女性の言葉を信じて、お姉さんの話を聞くことにした。
「話は麗から聞いたぞ?なんでも麗を助けてくれたそうじゃないか」
「まあそうですけど」
「しかしあの程度の礼では私が満足できない。大河内家現当主としてな。そこでだ、なにか欲しいものは無いか?」
そう言ってお姉さんは俺の肩を叩いてきた。僕は色々なことに驚いて言葉を発することが出来ずにいた。
「ん?なんだ?欲しいものが無いのか?」
「いえ、そう言うわけでは無いんですが……」
そう言った僕を、お姉さんは変なものを見るような目で見てきた。
僕はそんなことをされながらも、何から話せば良いのかを考えていた。
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