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「ん?どうしたんだ?」
「いえ、実はですね……」
そう言って軍曹は静音様に耳打ちをしていた。
あれ? そう言えばいつの間に麗さんはいなくなったのだろう? 全く気付かなかったな。まあきっと部屋にでも戻られたのだろう。
しかしこの家の廊下はものすごく長いんだなぁ……どのくらいあるんだろう?
高そうな壺も並んでるし、壊したら大変なことになるんだろうな。
「なんだと!?」
「申し訳ございません!」
僕が廊下について色々考えていると、急に静音様が大声を上げていた。その声に驚いた僕は壺を置いてある台に身体をぶつけ、危うく壺を割ってしまうところだった。
「あ、いや……すまない。だとしたら竜はどこに寝るんだ?」
「大きなソファーがある部屋ならば大丈夫かと」
「馬鹿者!私は使用人にはそんな不便をさせるつもりはない!」
多分寝床の話をしているんだと思う、けど……一体何の話をしているのか? そんなのは僕には理解できず、僕はただ2人の話を聞いていることしか出来なかった。
それからしばらく2人は色々と言い争っていたが、遂に決着がついたのか2人は喋るのをやめていた。
「静音様がそれでいいのなら」
「ああ。私は何の問題もないからな」
静音様がそう言うと、軍曹は静音様に頭を下げてどこかに歩いていった。
そして静音様は僕に歩み寄ってきた。
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