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その公園には、なかなかいい感じで寝られそうなところが結構あった。
「今日の寝床はここに決定しようかな?」
そう思った僕は、とりあえず荷物を下ろしてベンチに座り込んだ。
そして何気なく辺りを見回すと、一人の少女が目に入った。
その少女は、かなり可愛い顔立ちをしていて、髪の色は茶髪で、肩ぐらいまでの長さだった。身長は小さいが、その割にかなり胸が大きかった。
僕はその少女が何をしているのか、少し興味があったからその少女を観察することにした。
すると少女はなにやら困っているようだった。見るからに同じところを行ったり来たりしていて、僕にはなにかを探しているように見えた。
「手伝ってあげようかな?」
昔から僕は、親に「困っている人は、どんな人でも助けてあげなさい」
そう教えられてきていたんだ。だから、困っている人を見ると、放っておけない体質になっちゃってるんだよね……それが時々仇になるんだけど。
そんなことを思いながらも、僕はその困っている少女に声をかけた。
「何か困っているようでしたら御手伝いしますよ?」
「え?あ、ありがとう!それじゃあお願いしようかな?」
少女はそう言うと、僕の顔を見ながら喋りだした。
「あのね、家への帰り方が分からなくなっちゃったの。だから案内してくれないかな?」
少女は僕に対して、何かを期待したような目をして来た。
もちろん僕は、この土地に来たのは初めてだと言うことを理解しておいてほしい。
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