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敷地内に入るなり、僕は何やら殺気みたいなものを感じた。
「あの……まずいんじゃないですか?」
「え?なにが?」
少女は僕の不安も関係無くどんどんと長い道を進んでいく。
すると、僕の目には今までに見たことの無い、かなり大きな屋敷が目に入ってきた。
その前には、かなり強そうで身長の大きい、白髪混じりの初老の男性と、メイド服を着てメガネを掛けている、気の強そうな軽く銀髪でポニーテールの女性が立っていた。
「たっだいまー!軍曹!美沙夜さん!」
「麗御嬢様!一体どこに行かれていたんですか?」
屋敷の前に着くなり、軍曹と呼ばれた初老の男性は、少女にそう言っていた。怒っていると言う感じではなかったけど。
「ちょっと散歩だよ!迷っちゃったけど……てへへ」
「迷っちゃったけど……じゃないですよ!ん?それよりもそっちの冴えない男は?」
初老の男性は僕を見るなり、不審者を見るような目で僕を見てきた。もう1人のメイドの姿をした女性も同じようにして。
「あ、この人がここまで連れてきてくれたの!だからお礼をするために無理を言って来てもらったの!」
少女が俺を紹介すると、2人は不審者を見るような目から一転、客人を迎えるような目に変わっていた。
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