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それからしばらくして、僕は出されていた食事を全て食べた。残したら悪いと言う思いと、今日の夜の分を食い溜めしておきたいと言う理由からだ。
「ごちそうさまでした。とても美味しかったです」
「本当!?それなら良かった!」
「はい。それでは僕はこれで失礼します」
僕が椅子から立ち上がろうとした瞬間に、麗さんは何かを見付けたかのように僕の後ろに向かって手を振っていた。
そして僕は、後ろを振り返り入り口の方を見た。
するとそこには見た目清楚な感じでいて、髪の長さは腰辺りまで、そして綺麗な黒髪の女性が立っていた。
あ、身長は僕より少し大きいかも。そして……胸はまあまあ普通かな?
「おはよっ!お姉ちゃん!」
「ん?おお我が妹、麗よ!私が起きるのを待っていてくれたのか?」
麗さんに「お姉ちゃん」と呼ばれた女性は、どこか別のところに向かおうとしていたのをやめ、方向をこちら側に向けて麗さんに向かって歩いてきた。
「やっぱり麗は可愛い……もう色んな意味で可愛がってやりたい」
「あ、お姉ちゃんやめてよぉ……」
なにやら危ない発言が聞こえたような気もするけど、きっとこの家では普通の会話なんだろう。
そう自分を無理矢理納得させた僕は、2人の邪魔をしないようにその部屋を後にしようとした。
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