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メールを読みながらも俺の足は歩みを止めることはない。
メールの差出人は母だった。
『耕ちゃん学校終わった?
今日の晩御飯は耕ちゃん
の好きなカレーよ。
といいたいところなんだ
けど、なんかパパがいつ
の間にか友達の借金の連
帯保証人になってて、そ
の友達が自殺しちゃった
らしいの。
今日あたりに借金取りが
くるらしいので私達は四
人で逃げます。
頑張ってね(笑)
愛しい息子へ』
読み終えるとメールの内容を理解する前にちょうど曲がり角を曲がり見慣れた我が家が目に入る。
同時に我が家の前にたむろしている明らかに関わってはいけない世界の人も目に入る。
人数は三人。
数秒フリーズした後、メールの内容を咀嚼し理解する。
すぐさま回れ右、
幸いにも三人組には気付かれていないようだ。
ちょっ!母さん!てめっ!このやろっ!
とりあえず心中で母を罵る(内容はない)。
深呼吸をして落ち着こう。
吸ってぇーー吐いてぇーー。
吸ってぇーー吐いてぇーー。
ここから離れるべきだ。
落ち着いて最初に思ったこと。
どうやら俺の脳みそは平静さを取り戻したようだ。
俺はあてもなく元来た道を引き返す。
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