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そんなこんなを考えているうちに辺りは結構暗くなっていた。
何故こんなに時間がたっているかというと、考え事をしていると俺にはよくあることなのだが、思考が脇道へ逸れ、暴走してしまったからだ。
真面目に漫画喫茶行くかここで野宿するか悩んでしたはずなのに、いつの間にか議題が
"人間の欲深さを起因とする環境破壊問題について"
などというより真面目かつ壮大なものへと変わっていた。
結果としては
環境問題は人類が化学的に光合成が低コストかつ容易に出来るようになるのが先か、環境が人類が生活出来なくなるほど破壊しつくされるのが先か、恐らく後者のほうが圧倒的に早く訪れるであろう
という形に落ち着いた。
今回の脳内議会は議題が哲学的なものではなかったためか、比較的容易に結末を向かえたと言えるだろう。
ふと顔を上げると公園に誰かが入って来た。
どこにでもあるようなセーラー服を着てることから女子高生だと見てとれる。
街灯があり、逆光となっているため顔はよく見えない。
結構な距離があるのだが一瞬その女子高生と目があった気がした。
女子高生は一直線にこちらへと歩いてきた。
何故に?
この公園は近道として通る人が少なくない。(現に何人か通った)
しかし俺がいる場所は二つある公園の出入口からはかなり離れた位置で、
二つの出入口と俺のいる場所を頂点とするとちょうど二等辺直角三角形ができる感じだ。
我ながら分かりにくい説明だ。
またもやどうでもいい思考で時間を無駄にしている間に女子高生は目の前まで迫っていた。
「えっと……黒峰耕弥くん………だよね?」
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