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君といることが、当たり前になって。
そのとき、ぼくは。
君の大切さを、忘れそうになっていたんだ。
君と触れ合うことも、億劫になるほどに。
ぼくは、いろいろなことに追われてしまっていて。
肝心な君の存在を、軽く感じてしまっていたのかもしれないね。
ある日、君は。
ぼくに、選択を切り出した。
それは、君を失うか、刺激ある毎日を取るか、という。
ぼくに取っては、最悪の選択だった。
ぼくは、一瞬。
君を失っても構わないかも、って心が揺らいだ。
だけど、結局そうしなかったのは。
やはり、そのとき。
冷静になれるだけの経験が、既にあったからなんだよね。
君と過ごせる時間は、あとどのくらいあるのか、って考えることもある。
だから、ぼくは。
ずっとずっと、君を大切にするよ。
君は、ぼくの人生に絶対に必要な存在なんだから……。
もちろん。
君が知らないような、刺激ある毎日を。
ぼくは、過ごしながらだけどね。
『君を大切にするために必要なもの』
了
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