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いつしか、リサ姉の彼氏である、カツ兄と3人で会うことも多くなった。
あれだけ憎んでいたのに、話してみると気さくで、いい人。
俺にまで優しく、この人には勝てないと感じた。
それと同時に、リサ姉と付き合うことを認めていた。
俺も、カツ兄と呼ぶほど慕ってたから。
リサ姉達が、高校を卒業する頃。
カツ兄は、千葉の大学へ進むことが決まっていて、東京に残るリサ姉とは、遠距離まではいかなくても、少し離れることとなった。
卒業が近づくにつれ、リサ姉の不安が大きくなっていくのを、笑顔が少なくなる彼女から感じとった俺。
リサ姉がカツ兄に会えない時は、決まってギターを弾く。
近くの川べりで弾くと、リサ姉が聞きにきて、笑顔で音色に合わせて口ずさむ。
このフォークギターは、カツ兄が教えてくれた。
カツ兄は、カラオケに行った時に、歌がうまいと褒めてくれ、ギターやってみないかと勧めてくれた。
リサ姉だけじゃないんだ。
俺も、行ってほしくなかったんだ。
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