奪われたモノ

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 高3の春。  俺にも彼女ができた。  だれど、3ヶ月と続かず、さよなら。  何でなのかな。  別にうまくいってなかったわけじゃない。  たぶん、熱が冷めたんだ。  彼女が欲しい。  彼氏が欲しい。  そう強く思う時期に付き合えただけ。  彼女から告白してきたのに、彼女から別れを告げられた。  リサ姉達のような愛にまでは、辿り着かなかったみたいだ。  俺が、高校を卒業する頃。  カツ兄は、こっちに帰ってきていて、リサ姉と2人で祝ってくれた。  その時に俺は、少し気づいていたのかもしれない――  リサ姉とは違うが、東京の大学が決まっていた。  キャンパスライフは、俺には合わなかった。  バイトをしている時の方が自分には合っていた。  駅前の居酒屋のバイト。  従業員は、同世代より少し上のお兄さん、お姉さんがほとんどで、年上に囲まれた生活が慣れていた俺には、居心地がよかったのかもしれない。
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