奪われたモノ

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 「打ち上げ、タカちゃんのトコでやるから、15人くらい予約お願いね!」  成人式が近づき、またカツ兄が戻ってくることを知って、はしゃぐリサ姉。  俺も、カツ兄に会いたかったが、リサ姉の晴れ着姿を見たいと、こっそり思っていた。  成人式の当日。  来れなくなったとカツ兄から前日に連絡が入った。  リサ姉は少し気を落としていたが、店で仲間達とお酒を呑むリサ姉から悲しさはなく、安心した。  その数日後だった。  いつものようにバイトをして、テーブルを拭いていた時、近くの客の話が耳についた。 「あの大学の捕まった奴さ。どこの大学だっけ?」 「大麻を家で栽培してたってのだろ。名前忘れたけど、千葉の大学じゃなかったっけ?いくらで売れんのかな?」  なぜか胸騒ぎがして、休憩時間にケータイで、その事件を検索した。  カツ兄の大学だった。  大麻を栽培し、吸引していた学生4人。  それだけしかわからなかった。
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