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2008年10月1日
こんな時期に急な欠員が出た為に、
事務員を新しく採用したらしい…
と、古株の高橋さんが言っていた。
俺は軽く聞き流していた。
営業の俺は事務所にいる時間なんて
ほとんど無いに等しいから、事務員と絡むことなどあまりない。
だから、どんな人が入社しようが関係ない…。
そう思っていたのだ。
まぁ強いて言うなら、俺も男だから若い子で性格が良くて、可愛い子なら…
なんて事は考えていた。
ただ、仕事上で営業と事務は仲が悪くなる事が多いのも事実。
期日が決まった書類を営業サイドは守らない事が多いからだ。
けれど言い訳すれば、相手がいる営業にとっては、お客様の都合に合わせなければならないから大変なのだ…。
『なぁ冬哉。可愛い子なら良いよな。』
同僚の菊池が耳打ちしてきた。
『ん~、俺は仕事がやりやすいなら、なんでもいいや。』
そう俺は答えた。
本当にそう考えたりもしたからだ。
ガチャ…と、事務所のドアが開いて所長と、一人の女性が入ってきた。
『おっ、来たぞ』
菊池が楽しそうに言った。
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