2008年10月1日

1/3
124人が本棚に入れています
本棚に追加
/137ページ

2008年10月1日

  こんな時期に急な欠員が出た為に、   事務員を新しく採用したらしい…   と、古株の高橋さんが言っていた。   俺は軽く聞き流していた。   営業の俺は事務所にいる時間なんて   ほとんど無いに等しいから、事務員と絡むことなどあまりない。   だから、どんな人が入社しようが関係ない…。   そう思っていたのだ。   まぁ強いて言うなら、俺も男だから若い子で性格が良くて、可愛い子なら…   なんて事は考えていた。   ただ、仕事上で営業と事務は仲が悪くなる事が多いのも事実。   期日が決まった書類を営業サイドは守らない事が多いからだ。   けれど言い訳すれば、相手がいる営業にとっては、お客様の都合に合わせなければならないから大変なのだ…。   『なぁ冬哉。可愛い子なら良いよな。』   同僚の菊池が耳打ちしてきた。   『ん~、俺は仕事がやりやすいなら、なんでもいいや。』   そう俺は答えた。   本当にそう考えたりもしたからだ。     ガチャ…と、事務所のドアが開いて所長と、一人の女性が入ってきた。   『おっ、来たぞ』   菊池が楽しそうに言った。    
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!