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ドアを引こうと手を伸ばす。
その手は、かすかながら震えているのを
この目で、この体で感じていた。
今になって、怖くなったのもある。
そりゃ人間なんだから、
大口叩いて怖くなる時だってある。
でも、今俺はそれを押し切り
この重たい『ドア』を開けなければならない。
……おし、開けよう、開けちまえ。
進まなければ、変えられるものも
変えることができないのだから。
そう覚悟を決め、
少し、呼吸を落ち着かせながら
生つばを飲み込んだ。
ギィィと鈍い音が鳴り、
ドアの先から新鮮な空気と
月の柔らかな光が入ってくる。
俺は、ドアの外へ出た。
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