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狼『私たちは君の力になりたい。だから君はもう一度村へ行き私たちが村を襲うと叫びまわってもらいたいんだ』
少年『冗談じゃない!!』
狼『…仮に、今回村を襲わなくても、これから先、村を襲わないという訳じゃない』
狼達はニヤニヤ笑いながら腹が減って今にも倒れそうな仕草をしてみせた
狼『もう一度言おう 君が叫びまわり私たちが牛を襲えば君の信用は今後なくなることはない そうだろ?』
狼B『君は叫ぶだけさ』
狼C『俺達とは関係ない』
少年はこれが一方的な脅迫であり策略だと言うことを知っていた。
だからこう言った。
少年『羊を好きなだけあげるから村には行かないでくれないか?』
狼達はその意外な答えに少し戸惑っているようだった
狼『私たちは確かに羊でも構わない
ただ君がそれではあまりにも可哀想だ
悔しくないのかい?
悲しくないのかい?
見返したくはないのかい?
村の連中が一度、
そう少し
痛い目見るだけで
君の信用は格段に回復し、
君に感謝し、
君に今までのことを懺悔するんだよ?』
狼は少年の足下に従順な犬のようにすり寄りこう続けた。
狼『私たちは君の味方だ』
狼『君がたった一人で、真夜中まで羊の糞にまみれて羊の世話をしていたときに、彼らは新品のパジャマに袖を通し暖かいベットに包まれながらサンタを待っていたんだ。
またある時は、君が寒さに震えながら、冬に向けて草を干していたときにあいつらは暖炉の前でビフテキを食べていただろう 君はそんな彼等を許せるのか?』
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