114357人が本棚に入れています
本棚に追加
‐ヴェーダン‐
話は再び翼達に戻る。
崩れた宿舎を、無理矢理直したよう1つ部屋の建物に翼達は居た。
中には明かりも無く、部屋の中心で焚き火をおこしそれに皆が円を組むように腰かけている。まるで室外か室内か分からない状況ではあったが、何かに遮られているというのは落ち着けるものだった。
ちなみに、翼は自称奥義である‐人間ランタン‐を提案するも、否定されるどころか完全にスルーされていた。
此処に居るのは翼・翔・日菜にカルベスとバル、そしてゾックとフリーバ。ログイン出来ないという、本格的な世界の異変に対してゾック達に知恵を借りに来たのだ。
そして、ゾックも思ったより早い再開に驚いたが、訪れた翼達を歓迎した。
「すまねぇな、こんな場所で」
ゾックの発言に皆が「とんでもない」とばかりに首を振る。
「さて……と、お前達が焦っている問題だが……、言いにくいがハッキリ言うぞ
お前達はもう帰れない」
続けて口を開いたゾックは確かにこう言い放った。
あまりにもハッキリと伝えられた為、一同は反発はおろか動くことすら出来なかった。ログアウトができない。それはつまり現実の世界の身体に重大な支障をきたすからだ。
最初のコメントを投稿しよう!