月の晩に

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 その言葉を聞いた黒猫は、瞼を閉じて考えました。  しばらくして、さも名案が思いついたと言うかのように目をあけると死神の目を見据えて言いました。 「では、あの人間を生かしてこの黒猫の魂を狩るというのはどうでしょうか?」  その提案を聞くと死神は少し納得したような表情をみせました。  しかし、確かにそれは問題の解決には繋がるのですが、死神からすればそれは大変不快なことでその方法は取りたくありません。  だから不服そうに黒猫から月へと視線を移すと眉をひそめて問います。
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