北平の勇

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問題は、ここからである 相手は二人 数ではあきらかに不利 先程のように、油断はしていない敵 でも 身を守るためには、やるしかない 返り血を浴びて、最初は、恐怖ばかりが心を覆っていた だが、やるしかないと思ってからは、恐れを越えて、 軽い興奮状態になっていた 『しねぇー!!』 山賊が斬り掛かる 信は、それを刀で防ぎ、すぐさまに、刀で相手を薙ぎ払う プシューッ 血がとびちる 二人の内の、一人の山賊が倒れる 『貴様ぁ』 仲間をやられた、山賊が、怒り狂い、斬りかかる 信は、刀の攻撃を素早くかわした しかし、少しばかり痛みが走る 躱したと思っていた刀は、信の頬を、かすめていた ポタ、ポタ 血が垂れていく 『血か・・ だが、いける感じがする』 信は、身体の軽さを感じていた 刀を構えて、そして一気に山賊をきりつけた 『な、なに、こんな・・小僧に』 山賊が地面に倒れる 『やった やったぞ・・・ でも、俺、人を殺したのか・・』 信はふと我にかえり、呆然とする だが、気持ちを切り替える [やらなければ、やられていたんだ・・ 間違ってない、間違ってない] 信は、自分に言い聞かせ、歩き始めた 信の背中を冷たい風が、吹き抜けていった
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