海藤 彩月

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「一番近いコンビニでも歩いて15分かぁ…まずは自転車を買わんとね。いくら東京ってもこんな郊外じゃ何にも無いんやなぁ…」 彩月は買ってきたカップラーメンをすすりながら、今後の事を考えていた時、あの言葉を思い出した。 「そう言えば『東京に近い田舎』って言ってたなぁ…」 彩月の顔がニヤける。 「クス‥偶然会ったりして…。 まさかね… でも、会うことが出来たら…それこそ運命やんなぁ! 会ったらどーしよ!」 [寂しさを克服する為]に上京してきた彩月だったが気持ちの片隅に[もしかしたら]という感情と期待が存在していた。 「そうだ!」 何かを思い付いた彩月は、ノートパソコンを段ボールから取り出した。 「な・ん・で・も・や」 まさかと思いながらも期待を胸にクリックしてみる。だが彩月の期待とは裏腹に一万件を超える検索結果だった。 「やっぱり… そがん上手くはいかんか…。 でも頑張れたら…いつか必ず逢えるよね? 仁さん…」 九州から遠く離れた関東で、彩月の一人暮らしが始まった。
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