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『………』
仁は覗きこむ彩月の目を見た後、ビールを飲みながらこう言った。
『無駄ですよ?いくら色仕掛けをしても、全部の男が堕ちるとは限りません』
「ちっ!手強いなぁ…」
『私なんかより彩月さんにはもっと相応しい人が現れますよ?それともフザけてるだけですか?』
「両方…」
『さっきも言いましたが後悔するだけですよ?
私は人を不幸にする…、それに今夜だけの関係は持ちたくありません…、彩月さんのためにも…ね?』
そう言って仁は彩月にニコッと笑って見せた
「優しいんやなぁ…。
仁さん…甘えてもいい?」
『良いですよ。
限度はありますけどね?』
彩月は酔った勢いもあってか、身の上話を仁に話し始めた。
[二年間付き合っていた彼氏を幼なじみに盗られた事]
[その彼氏が忘れられないから恋人は作らない事]
[寂しくて落ち込んでる自分が嫌だから、無理に明るく振る舞っている事]
[自分を慰めるために、いつも知らない男と夜を過ごしてる事]
彩月は全てを話してくれた。
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