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それから2、3時間を飲み明かした。
「さっちゃん?
もう店を閉めるけん」
「はぁ~い…」
帰り支度をし、立ち上がろうとした彩月は、ヨロけてその場に座り込んでしまう。
『大丈夫ですか?』
仁が彩月を抱え起こす。
「うぅ~飲みすぎた…」
『芝居ではなさそうですね…。私が家まで送りましょうか?』
「お願い…」
『仕方ありませんね…』
そう言うと仁は、店の主人にタクシーの手配と会計を促す。
「三千円で良いよ」
『それは困ります。ちゃんと貰ってください』
「ほら…さっちゃんが世話になるけん…」
『それなら彼女は置いていきますから、代金はしっかり取ってください』
「アンタも頑固やね…
そこまで言うんやったら有り難く戴いとくよ」
仁は代金を支払い、主人にお礼をすると、彩月を抱えタクシーに乗り込んだ。
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