興味を持つ者

8/13
前へ
/358ページ
次へ
それから2、3時間を飲み明かした。 「さっちゃん? もう店を閉めるけん」 「はぁ~い…」 帰り支度をし、立ち上がろうとした彩月は、ヨロけてその場に座り込んでしまう。 『大丈夫ですか?』 仁が彩月を抱え起こす。 「うぅ~飲みすぎた…」 『芝居ではなさそうですね…。私が家まで送りましょうか?』 「お願い…」 『仕方ありませんね…』 そう言うと仁は、店の主人にタクシーの手配と会計を促す。 「三千円で良いよ」 『それは困ります。ちゃんと貰ってください』 「ほら…さっちゃんが世話になるけん…」 『それなら彼女は置いていきますから、代金はしっかり取ってください』 「アンタも頑固やね… そこまで言うんやったら有り難く戴いとくよ」 仁は代金を支払い、主人にお礼をすると、彩月を抱えタクシーに乗り込んだ。
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

569人が本棚に入れています
本棚に追加