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『こんな状態の貴女を一人で帰らせて、何かあったら私の責任になりますからね…。
ご自宅まで送りますよ?』
「ありがとう…
仁さんはホント優しいんやな…」
そう言うと仁は彩月の前にかがみこんだ。
『はい、どうぞ』
「平気…歩けるから…」
『歩けなさそうだから言ってるんです。遠慮しないでください』
「えっ…いいよ…」
『遠慮なさらずに』
「いいっち…」
『早くしろ!』
「…っ!」
一瞬…彩月はドキッとした。
それまで紳士的な穏やかな口調だった仁が、命令口調で怒鳴ったからである。
『あ…いや…、大きな声を出してすいません…。
女性は素直が一番ですよ?』
「仁さんも怒るんだね?」
『まぁ…人間ですからね…』
「ちょっと…カッコ良かった…」
『からかわないでください』
「ううん…ドキッとしちゃった」
『そうとう酔ってるんですね?私の背中に吐かないでくださいよ?』
「うっ!」
『さ、彩月さん!?』
「うそ~♪ アハハ‥」
そして二人は彩月のアパートへと到着した。
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