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梅澤に送られて瑠璃子のマンションに着いた龍介は、梅澤にふざけながらお礼を言うと、瑠璃子の待っている部屋へと向かった。
扉の前で龍介は立ち止まっていた。
梅澤に説得されて自分の気持ちに素直になれた龍介だったが、いざ瑠璃子に会うとなると、どんな顔をして会ったら良いのか分からなかったのだ。
(何も無かったかのように笑いながら会うか?
いや…でも心配させといて笑って会うのは不謹慎だよな…)
(落ち込みながら会うか?
いや…でも今の俺は落ち込んじゃいねぇし、逆にもっと気まずくなるんじゃ…)
(どんな顔して会えば良いんだ?
うぅ~、考えれば考えるほど分からなくなってくる…)
ガチャ‥
龍介がそんな事を考えていると突然ドアが開いた。
「こんな所で何してるの?
ほら!早く中に入りなさい」
『あ、うん…』
瑠璃子に言われるがままに部屋へと入った龍介は、リビングに立ち尽くし、ボーッと瑠璃子の姿を目で追っていた。
「ほら!ボーッと突っ立ってないで座ったら?」
『お、おぅ…』
瑠璃子はソファーに座った龍介に、コーヒーと灰皿を運んできてくれた。
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