569人が本棚に入れています
本棚に追加
『なんだかんだ言っても心配してくれてるんだ…。
ありがとうな』
瑠璃子が心配してくれてると思うと、何だか急に嬉しくなった龍介。
恥ずかしそうに礼を言う。
「だってそうでしょ?
これからって時に龍介が居なくなって、私がシンママになるようだったら将来が不安じゃない?
いくら私でもそんなのは嫌よ」
『俺じゃなくて…将来が心配って事か…?』
「そうよ」
それよりも龍介は瑠璃子の言ったキーワードが気になっていた。
『ん?
ちょっと待て……
さっき…シンママって…?』
「シングルマザーの事だけど…何か問題ある?」
『問題ある?って…
大有りじゃねぇか!そんなサラッと言うなよ!
でも…。
シングルマザーって…
もしかして……瑠璃子…?』
「うん!私と龍介の赤ちゃんがここに居るのよ」
そう言うと瑠璃子は、自分の腹部に手を当ててニコやかに答えた。
『嘘だろ…?本当かよ?』
「嘘を言ってどうするの?」
驚きを隠せない龍介は半ばひきつった顔つきで、瑠璃子の顔と腹部を眺めていた。
その衝撃的な発言に頭の中が真っ白になっていたのである。
『子供…
俺の……俺達の子供…』
最初のコメントを投稿しよう!