愛の形と幸せの意味

15/22
前へ
/358ページ
次へ
『なんだかんだ言っても心配してくれてるんだ…。 ありがとうな』 瑠璃子が心配してくれてると思うと、何だか急に嬉しくなった龍介。 恥ずかしそうに礼を言う。 「だってそうでしょ? これからって時に龍介が居なくなって、私がシンママになるようだったら将来が不安じゃない? いくら私でもそんなのは嫌よ」 『俺じゃなくて…将来が心配って事か…?』 「そうよ」 それよりも龍介は瑠璃子の言ったキーワードが気になっていた。 『ん? ちょっと待て…… さっき…シンママって…?』 「シングルマザーの事だけど…何か問題ある?」 『問題ある?って… 大有りじゃねぇか!そんなサラッと言うなよ! でも…。 シングルマザーって… もしかして……瑠璃子…?』 「うん!私と龍介の赤ちゃんがここに居るのよ」 そう言うと瑠璃子は、自分の腹部に手を当ててニコやかに答えた。 『嘘だろ…?本当かよ?』 「嘘を言ってどうするの?」 驚きを隠せない龍介は半ばひきつった顔つきで、瑠璃子の顔と腹部を眺めていた。 その衝撃的な発言に頭の中が真っ白になっていたのである。 『子供… 俺の……俺達の子供…』
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

569人が本棚に入れています
本棚に追加