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『そうだ!出産は佐々木先生の病院でするのか?』
「うん、佐々木先生の所は総合病院だから…お願いしようと思ってるけど…。
どうして?」
『いや…。
あの人の事だから出産に立ち合いそうな気がしてさ…。
「生命の誕生ですよ!」とか言ってカメラとか持ち込みそうじゃね?』
「クスクス‥
先生ならやりそう。
でも私は構わないわよ?撮影してくれるなら有り難いじゃない?」
『俺が構わうんだよ!
何で他の男に自分の女の…見せなきゃいけねぇんだって話だよ!』
「クスクス‥冗談よ」
笑っていた瑠璃子だったが龍介の言った一言を聞き逃さなかった。
『当日は佐々木先生を院長室に閉じ込めておかなくちゃな…』
ふざけていない事は、真剣に考えている表情からすぐに読み取れた。龍介は佐々木の行動を本当に心配している様子だった。
「まだ先の事なんだから、そんなに心配しないでよ…。
佐々木先生にも失礼よ?
でも、龍介はちゃんと立ち合ってくれなきゃ嫌だからね?」
『分かってるよ…。
自分の子供が産まれるって大事な時に、遊んでなんかいられねぇだろ?
それに俺だって瑠璃子の傍に居たいさ…』
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