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「そんな…。
ささやかでも私は式が挙げられれば…それだけで十分だよ?」
『バカだな…。
この街の夜の顔とも言うべき、星川翠が結婚するんだぜ?
仲間内で式を挙げたとしても…。アニキ達や佐々木先生が居たら嫌でも盛大に賑やかになっちまうだろ?』
「クスクス‥そうね」
龍介の言う[賑やかな結婚式]を想像して思わず笑ってしまう瑠璃子だったが、龍介の腕に自分の腕を絡ませると、そっと呟いた。
「神威…、神威 瑠璃子になるんだよね?
ふふ…聞き慣れてないから変な感じがする」
『そうだな…』
「この子と私と…三人で幸せになろうね?」
すると瑠璃子は龍介の手を持ち、自分の手と一緒に腹部に当てた。
「ねぇ…、何か話しかけてあげてよ」
『こういうのって…なんか…照れるよな』
腹部に手を当てた龍介は、顔を赤くしながらも優しく話し掛ける。
『お、おい…、聞こえるか?
その…元気に産まれてこいよ?
まぁ…、こんな父ちゃんだけどよ…。お前の事は絶対に幸せにするからな…?』
(聞こえてるよ…
ありがとう…龍介…
今度こそ幸せにしてもらいますからね?
そして私はいつも貴方の事を応援しています…
昔と立場は違うけれど…
今度は娘として…)
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