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「あ…瑠璃子さん、もし良かったら俺が詩織ちゃんの面倒をみてますよ」
「そんな…悪いわ」
「いや、大丈夫ですよ。
俺は車椅子だから普通の人が立って抱いてるよりかは楽だと思うんです。
それに…詩織ちゃんを抱かせてもらいたいのが本音なんです」
「そう?ありがとう…助かるわ」
そういうと瑠璃子は抱いていた詩織と、哺乳瓶を熊津に渡した。
熊津は哺乳瓶を股のところに挟み、左腕で詩織を抱き抱えると、右手で詩織の頬を突っつきながらニヤニヤしている。
「カワイイなぁ~♪このプニプニがたまらないよな…」
『おい!マー君!あんまり汚い手で触るなよ!』
「少しぐらい良いだろ?
ねぇ~詩織ちゃ~ん」
詩織のあまりの可愛さに熊津は頬擦りをするが、ジョリジョリとした熊津の愛情表現に詩織は今にも泣きそうな顔で堪えていた。
龍介達が控え室に向かうと懐かしい面々が顔を揃えていた。
「あっ!龍介さん!」
『よう!元気だったか?』
声を掛けてきたのは、真っ赤なドレスに身を包んだ華奈だった。
「瑠璃子さんもお久しぶりです」
「私達の時以来だから…一年ぶりかしら?華奈も元気そうで何よりだわ」
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