エピローグ

8/12
前へ
/358ページ
次へ
すると佐々木は、華奈から奪い取るように詩織を抱き抱えた。 「う~ん…いつ見ても可愛いですねぇ~。詩織さん早く大きくなってください。その時が来たら私がお迎えに行きますからね」 『お迎えにって…まさか…』 「はい。瑠璃子さんがダメになった以上、詩織さんを我が妻にお迎えさせていただきます。 大丈夫です。 後…たったの19年と129日ですから、私は待っていられます」 『ダメ!絶対ダメ! 詩織は絶対に誰にも嫁にはやらん!』 詩織に対する求愛を、龍介に断固拒否された佐々木の顔付きが変わった‥。 「そうですか…。 一度ならず二度までも、私の前に立ちはだかるつもりのようですね…? ………。 良いでしょう…。そっちがその気なら、私も全総力をかけて詩織さんを私の妻にさせていただきます」 『受けてたちますよ!』 これから長く続くであろう[神威詩織争奪戦]の火蓋が切っておろされた瞬間だった。 バチバチと火花を散らし歪み合う二人の向こうから、純白のウェディングドレスを綺麗にまとった彩月が歩いてくる。 「彰さんはまだ来とらんと?」 「まだ来てないようね…」
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

569人が本棚に入れています
本棚に追加