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「もう…。
昨日あれだけ遅れたらいけんよって言っといたのに…」
「梅ちゃんも困ったものね…。
それより…おめでとう彩月さん、今日はとても綺麗よ。
ね?龍介」
『おう!今日は一段と綺麗だよ』
彩月は瑠璃子と龍介の目の前でクルッと回って見せた。フワッとスカートの裾が舞い上がり、甘い匂いが立ちこめる。
『ヤバい…惚れそう…』
思わずこぼした龍介の一言に、瑠璃子はピクッと反応する。
が、彩月は笑いながら龍介に言葉をかけた。
「残念ねぇ…。彰さんに再会する前やったら、龍さんの事を好きやったけど、今の私には彰さんしかおらんけん。
ごめんな…龍さん」
「ふふ‥さすがの龍介もフラれちゃったみたいね?」
『うるさい!ふざけただけなのに…そんな事を言われたら本気でへこむだろ!』
そう言うと肩をガックリと落とした龍介は皆から少し離れた自販機へと歩いていった。
「あちゃ~本気で落ち込んだみたいやね…」
「気にしないで…落ち込むぐらい言われた方が良い薬になるわよ。
でも、龍介も今日の事は心の底から喜んでたの…。
それだけは分かってあげてね?」
「はい!二人には感謝してるんですよ?
特に瑠璃子さんに…」
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