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『ずっとここに居たのかよ?』
「あぁ…。ずっとここに居た」
『何で皆の居る控え室に来なかったんだよ?』
「劇的に登場したくてさ…」
『アニキが来ない、何処にも居ない。遅い遅いって皆で心配してたんだぞ!』
「悪いな…。でも主役は最後の最後に登場するもんだろ?」
呆れた龍介は、たった一言だけ心を込めて梅澤に送った。
『バカアニキ!』
そして瑠璃子も‥
「本当…梅ちゃんもバカね…。
この先、彩月さんがどれだけ苦労させられるか、分かる気がするわ…」
「そんな…姐さんまで…」
そして最後に‥もう一人の主役が、梅澤に抱きつきながら大きな声をあげた。
「バカアキラ!心配させないで!」
「ゴメン…さっちゃん…」
泣きじゃくる彩月の頭を撫でながら梅澤は慰めている。
「女性を泣かせるなんて男性として失格ですよ?」
「まぁ、アニキらしいって言えばアニキらしいか」
「そうね…。梅ちゃんには皆を心配させた罰として、彩月さんを必ず幸せにする事を約束してもらいましょ」
『じゃあ…、このお騒がせな正義の味方を皆で祝福してやるか?』
「せぇ~の」
『「結婚おめでとう!」』
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