冷たい目

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ガラガラ‥ 「いらっしゃい!」 そこへ男性客が入ってきた。 男はスーツ姿にメガネをかけていて、見るからにサラリーマン風の格好をしている。 男はキョロキョロと回りを見渡すと、空いてる席を探す。 すると、先ほどの女性客の隣を一つ空けて座り、メニューを手に取った。 「はい!何にいたします?」 店の主人がお冷やを出し注文を聞くと、メニューを見ていた男性客はボソボソっと注文を伝える。 『しょうが焼き定食とビール』 「はい、少々お待ちください」 男は先に出されたビールを飲みながら、店内に設置されたテレビをジッと見ている。 「ちょっと!さっちゃん!」 「なん?」 「コレ出してくれん?」 「忙しいからって客を使うな!」 「身内やろ?手伝え!」 「はいはい…」
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