酔恋

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公園を出て、まっすぐ歩いて突き当たったところ。 「いらっしゃいませ」 その店があった。 壁の木目に沿って、降り出した雨が流れ出す。 「さ、入って」 丁度頭の位置に、小窓がついているドアを開けると カラン  カラン と、ベルが鳴った。 いらっしゃいませ、と言われて招かれた木造二階建ての家。 見渡してみれば、カウンターがあって。 その向こうには小さな厨房。 丸いテーブルが五つ。 その周りに、イスが3個づつ置かれていた。 ぽかんと口を開けたまま辺りを見渡す。 こじんまりとしているが、どこか懐かしくて暖かい。やさしい感じのするお店だな。と思った。 「適当に、座ってていいよ」 声のする方を見れば、厨房にその姿があった。 .
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