酔恋

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座っていいよ、と促されるが 頭から、足先まで雨でずぶぬれ。 座ってしまったら、木目の美しいアンティーク調のイスが汚れてしまう。 パタパタと流れ落ちる雨粒。 寄せる場所もなく、キョロリと店内を見渡せば、額に入った絵が目に付いた。 「ちょっと、待っててね」 声の主がいるであろう厨房を見れば、もうその人はいなくて 厨房の奥のドアが、キィと音を立てて閉まったあとだった。 静かな店内にポツリ。 .
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