酔恋

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「あ、あの……アタシ、学校あるので、帰りますね!」 学校を抜け出してきたくせして、どこにかえると言うのだろう、アタシは…。 醜態を晒してばっかりで、逃げ出したい思いを抱えて 店のドアめがけて 不良品のロボットみたいに右手と右足、一緒に動かして ギクシャクと歩き出したんだ。 そしたら ピイィィィィィィ 厨房から、空気が割れるみたいな音が聞こえたんだ。 「あ、お湯沸いた」 アタシの挙動不審さに、笑いをこらえながら、コンロの火を止めに厨房へと戻ってく美形さん。 「コーヒーでも飲んで行かない?」 逃げだすタイミングを見事にのがしたアタシに優しく声をかけてくれる。 どうしようか迷っていると .
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