酔恋

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「気持ち悪いでしょ。ここの制服で良かったら着替える?」 さっき、奥にひっこんだときに持ってきたんだろう。 カウンターの上に綺麗に畳まれた服が置いてあった。 「え」 「強制は、しないけどね?」 美形さんと、置かれた服を交互に見る。 着替えを借りるのは、恐縮でおこがましいとは思う。 でも それ以上に、このイスが湿って変色したりするんじゃないかと思うと、怖くて座れない。 眉間にシワを深く刻ませて考えていると 「奥に、更衣室あるし。行っておいで?」 気兼ねしなくていいよ って、言葉が迷ってるアタシの背中を押してくれた。 「すいません。お借り、します…」 .
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