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結局、昼休み、タクミは教務室に来なかった。
時間ギリギリまで粘って、先生にどこがでるのか、とか聞きこんでいたのでチャイムギリギリに自分の教室に戻った。
「おかえりー」
慌てて教室に駆け込んだアタシにカオリちゃんが声をかけてくれた。
「粘りすぎちゃった!でも、どこが出そうかわかったよー!」
「え、アタシ数学は完璧だから良いよ」
そうなのだ。カオリちゃんは、理数系…と言うか、教科全般完璧なのだ。
卒業試験直前だというのに、余裕ぶっこいて、バイトも休まず行ってるらしい。
勤労学生、お疲れサマです…。
「あ、そういえば、タクミ見なかった?」
「あー…行かなかったんだ」
「そうなんだよねー…」
「メールでも送って聞いてみたら?」
タイミング良く、先生が教室に入ってくる。
昼休みボケしてる生徒達がガタガタと席に着く。
その中で、こっそり、タクミにメールを打つ。
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