酔恋

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「へ?」 座っていたアタシの頭上から声が降ってきたので、慌てて顔をあげる。 なんてことだ。 非のつけようがない、整った顔。 ス、と流れる意思の強そうな切れ長の目。 長めの前髪が、片目を覆っていて。 その片目と、ぱっちり目が合った。 「大丈夫?…すごく、寒そうだけど……」 「え、あ、はい」 素っ頓狂な返事とは言えなさそうな声が飛び出た。 そんなアタシを見て、クスリと口元を歪ませた目の前の人。 「大丈夫そうには、見えないけど。良かったら、暖かいものでも、ごちそうするけど?」 えええええええ。 .
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