告げられた真実

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半ば強引に現実に戻ってきた。 気づいた時には霧科と並んで床に横になっていた。 「あれ? なんで?」 上体を起こし、辺りを見回した。 みんながいる。 あぁ、なるほど。 エレベーターから引き摺り下ろされたのか、オレ。 「傷はないみたいだけど、大丈夫?」 「あぁ……大丈夫」 雨宮の問いに答え、頭を掻きながら立ち上がった。 「結城はもう送ったのか?」 「うん。それと我妻と玲奈ちゃんもね。 我妻はすっごい愚痴りながら帰った」 あー。イメージしやすいな。 「要さんは?」 「あそこ」 雨宮はため息をつきながら指を指した。 その方向を見てみると、上裸の要さんと緋織さんが平然と立っていた。 「……なんで?」 「知らないわよ」 さすがに雨宮も疲れているようで少し素っ気ない。 見てみると志摩と椿姫も疲れたように少し離れた場所に座っている。 「霧科なら先生が治癒してくれたから、とりあえずは大丈夫だって。大ケガには変わりないけど」 そりゃそうか。 でも、よかった。
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