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「マジかよ!?」
襲いかかる黒い蛇を見ながら、両手を前につきだす。
「凍てつきし氷河の双璧!」
蛇とオレとの間に氷の壁を作り出し、急いでエレベーターに乗り、ボタンを押した。
霧科はすでに意識を失っているようだ。
氷の壁が砕かれる音と同時に、蛇はエレベーターに襲いかかる。
「クソッ!」
腕輪を刀に戻し、エレベーターから飛び降りると同時に全力で蛇に斬りかかった。
「切り伏せよ、暴君の刃!」
ほぼ零距離で放った暴君の刃は蛇の口の中を切り裂き、動きを止めた。
その間にエレベーターは閉じ、上へと向かっていった。
「あーあ、逃がしちゃったよ」
蛇は八桐の袖の中に戻った。
「白衣に仕掛けでもあるのか?」
「やだなぁ。仕掛けなんてないよ。これは……」
八桐は蛇が戻ったばかりの袖を上げ、細い腕を露出させた。
「はぁ!?」
八桐の腕にはおびただしい量の陣が描かれている。
いや、刻まれているの方が性格かもしれない。
「まだ実験段階なんだけど、今のはデュポーンの転移能力だよ。制御が難しくてさ、まだまだ実用はできそうにないんだよね」
デュポーンの実用って、つまり全部破壊するときってことか?
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