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「つまり、君はデュポーンを破壊、もしくは止めに来た。ボクは天使の歌にすっごい興味津々」
幼い顔を輝かせながら八桐はすごい早さでオレとの距離を詰めた。
「この刀で使うの?」
そしていつの間にか刀を引ったくられた。
「おまっ! 返せ!」
「はい」
あっさり返された。
そして再びオレに陣だらけの腕を見せた。
「この腕にその刀を刺して天使の歌を注ぎ込めばデュポーンは多少弱り、完成も遅れるだろうね」
「は?」
さっきからこいつの行動が理解できない。
「今なら抵抗しないで君に協力するよ。ただし、条件を飲みさえすればね」
出た。条件。
良い予感はまったくしない。
それでもオレは聞いた。
「条件ってなんだ?」
「簡単だよ」
八桐はオレの刀を顎でしゃくり、笑いながら言った。
「貸して」
「嫌だわ!」
これなくなったらオレ何もできなくなるだろうが?
「貸して戻ってくる保証ねぇだろうが!」
「それは保証するよ。ボクが」
テメェが保証しても意味ねぇんだよばか野郎が!
「ちょっと天使の歌に興味があるだけだってば。研究したいんだよ。調べたいし、できれば君を解剖したい」
さらりととんでもねぇこと言ったぞこいつ。
絶対子供じゃねぇよこいつ。
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