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「別にいい。デュポーンっての自分で見つけるから。一回それらしいの見たから検討つくし」
「あーやめといた方がいいよ。
さっきも暴走したばっかりで気が立ってるみたいだからさ。目が合っただけで……」
合っただけでなんだ?
最後まで言えよ。気になるから。
「ボクの提案に乗ったほうがいいってば。刀なら一ヶ月くらいで郵送でもなんでもするから。なんなら血判でも押そうか?」
「血判って……実際お前いくつなんだよ?」
「十歳」
モロ小学生。
「ここでその提案に乗ったとして、完成はどれくらい延ばせる?」
「そだね。今のペースだと残り一ヶ月くらい。ここで弱らせておくと……三ヶ月まで延ばせて、多少劣化する。劣化ってのは一部の能力が使えなくなるってことね」
「三ヶ月……か」
あと劣化か。
動かなくするってのは無理なんだろうな。いくらなんでも。
「わかったよ。乗ってやる」
苦渋の選択って言うんだろうな。こういうの。
八桐は嬉しそうに目を輝かせ、腕を差し出した。
オレは天使の歌を発動させ、刀に付与を施した。
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