告げられた真実

29/30
前へ
/478ページ
次へ
「詳しくはわかりませんが、私にも私の魂の存在に気づくことができませんでした。今になってそのことに気づいて呼び出したんです」 ったく。何でもありだな。 里桜さんが気付けないのをどうやって探せばいいんだよ? 「それともう一つ」 里桜さんは人差し指をピンと立て、真剣な表情で言った。 「これはあなたにとってとても重要なことです。よく聞いてください」 「重要なこと?」 深く頷き、里桜さんは勿体ぶらずに一気に言う。 「武一は自分の力の全てを、あなたに託すつもりです」 「はぁ!?」 「あなたと同化しているからこそわかったことですが、武一はあなたの魔力に少しずつ溶け込んでいます。 聖霊憑きよりもさらに深く」 待て待て待て待て! あいつ、オレの体を乗っ取る気なのか? 「詳しいことは武一に聞いてください。今の私には言えることはただ一つだけです」 「え?」 「武一を、倒してください」
/478ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11614人が本棚に入れています
本棚に追加