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「詳しくはわかりませんが、私にも私の魂の存在に気づくことができませんでした。今になってそのことに気づいて呼び出したんです」
ったく。何でもありだな。
里桜さんが気付けないのをどうやって探せばいいんだよ?
「それともう一つ」
里桜さんは人差し指をピンと立て、真剣な表情で言った。
「これはあなたにとってとても重要なことです。よく聞いてください」
「重要なこと?」
深く頷き、里桜さんは勿体ぶらずに一気に言う。
「武一は自分の力の全てを、あなたに託すつもりです」
「はぁ!?」
「あなたと同化しているからこそわかったことですが、武一はあなたの魔力に少しずつ溶け込んでいます。
聖霊憑きよりもさらに深く」
待て待て待て待て!
あいつ、オレの体を乗っ取る気なのか?
「詳しいことは武一に聞いてください。今の私には言えることはただ一つだけです」
「え?」
「武一を、倒してください」
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