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「なんだったんだ今の?」
「話の流れからすると、今の千秋のお父さんだよね?」
「そうだけど……」
「悪そうな人には見えなかったんだけど?」
雨宮の言うことはもっともだ。
今のは本当に志摩宗建だったのか、正直自信がない。
なにより、何もしないで消えたってのが不思議だ。
てっきり、志摩を奪いに来たのかと思った。
連れ戻すみたいなこと言ってた気がするし。
「要さん、この後はどうすれば?
つーか魔龍石使えるんですよね?」
「使えるんだけどな、一つ困ったことがあるんだよ。
っつーかオレも最近知ったっつーか」
やけに歯切れが悪い。
要さんらしくもない。
「魔龍石を使えば、その場に魔龍石を残していくことになる。その残った魔龍石にはしばらく魔力の痕跡が残り、追うこともできるらしい」
つまり、敵が追ってくる可能性があるってことか。
だからあの時急に使えなくなったとかって言い出したのか。
「いいですよ~。んじゃ先生たちが転移した後にその石ころはオレが処理しとくんで」
緋織さんは手をヒラヒラさせながら言った。
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