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「つーかお前どうやってここ来た?」
「オレはあれっスよ。志摩さんの転移装置タダで使えるんでいろんなところ行き放題入り放題」
汚ねぇ!
「んじゃお前に任せる。……逃げんなよ」
「まっさか」
ヘラヘラと笑いながら緋織さんはそう言った。
てか逃げるって、何のことだ。
「仙崎さんが誰か寄越すらしいんでそれに便乗して帰りますって」
「よし。帰るぞ。川添はどうせ使い方いまいちわかんねぇだろ?」
決めてかかるな!
実際わかんねぇけどさ!
「オレがやってやるから、魔龍石ごとオレの手を掴め」
いわれるがままにポケットから魔龍石を取り出し、要さんの手に乗せ、そのまま手を掴んだ。
「んじゃ、お前らは先に帰れ。
さすがに今日はおせぇから明日覚悟してろよ」
セリフの半分から後ろの辺りがやけに低かった。
チョー怖い。
みんなさすがに疲れはてていて無言で帰って行った。
その場には魔龍石だけが残り、床に落ちる。
「任せたからな」
「リョーカイ」
ビシッと軍隊のように敬礼し、緋織さんは魔龍石を回収した。
「じゃあ行くぞ川添」
要さんはそう言うと同時に魔龍石を使い、オレと要さんを光で包んだ。
周りが真っ白になり、やがて景色はオレの部屋になった。
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