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「じゃあな。ダリィしもうオレは帰るぞ」
その声が聞こえた後にはすでに要さんはいなくなっていた。
まぁ、無理もないか。
理事長に報告することもあるんだろうしな。
さて、オレはどうしようか。
何よりも結城のことが気になるけど、さすがにオレも限界っぽい。
オレはベッドがあるにも関わらず近くのソファーに倒れるように突っ伏した。
予想外に色々知ってしまった。
志摩の事情に霧科の過去。
そしてどうなるオレの体。
「フィリォ、いんのか?」
『……我が肉体はじきに滅ぶ。
死神の呪いによって、内側から破壊されたのだ』
何も言っていないのに頭の中の声は勝手に説明を始めた。
「だからオレの体を奪おうってことか?」
オレがそう言うと、フィリォは自嘲するように小さく笑った。
『魔族は強い想いを残したまま死ぬと、魔力に意識が宿り体から離れる。そういった特性がある。ディロイがいい例だな。
我が使った禁術、聖霊降臨はそれを無理やり人間に反映させる術だ。つまり、人間を魔族に変化させる』
それであんな龍の姿になったってことか?
『今さら再び人の体を与えられたところで、何もできはしない。呪いによって破壊され、もう動かすことすら不可能だ』
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