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それからオレの中の武一は何も言葉を発しなかった。
なんとなく気まずくなり、オレはそのままソファーの上で眠ってしまった。
目が覚めた時にはすでに日が昇っており、朝日が窓から差し込んでいた。
目を擦りながらポケットに入れっぱなしだったケータイで時間を確認した。七時ちょうどだ。
「やる気起きねぇんだよなぁ」
要さんに何と言われるか分かったもんじゃないし、学校行くしかないか。
ため息をつきながら制服に着替えた。
不思議と腹は減っていないので適当に準備して部屋を出た。
少し早い気もしたが、他にすることもないのでさっさと行ってしまおう。
エレベーターで一階まで下ると、そこにはなぜか雨宮がいた。
「よう」
「川添……早いわね?」
「行きたくねぇんだけど、行かねぇと後が怖いだろ?
だからさっさと行って諦めようってな」
オレがそう言うと、雨宮は苦笑しながら言った。
「あたしも似たようなもんかな。
それに、サボろうかと思ったけど、千秋が行くって言うならあたしだけサボるわけには行かないじゃん?」
「そういや志摩は?」
考えてみれば雨宮と志摩が別々ってのは珍しいな?
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