第一話

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『ねぇ、大きくなったらお姉ちゃんと結婚しようか?』   『うん!いいよ!』   …、私の名前は相馬 冬美(そうま ふゆみ)。私には、可愛い過ぎる弟がいる。それは…、   「秋人ー!あーそびまーしょー!」   …、この、真面目に勉強をしている。弟の相馬 秋人(そうま あきと)。   「今、勉強中なんだけど…。」   「よし、何して遊ぼうか…。」   今、何か言った気がするけど、無視。だって、そんなことより秋人と一緒に遊ぶことの方が大事なんだもん。   「テスト近いんだよ…。勘弁してくれよ…。」   「どうしてもダメ?」   涙目で秋人を見つめる。しかし、それは軽くスルーされ、秋人はまた勉強を再開してしまった。   『ねぇ、大きくなったらお姉ちゃんと結婚しようか?』   『うん!いいよ!』   と、昔、携帯電話に録音した声を聞かせる。   「しくしく…、もうこんなの友達に見せて私のホームページに載っけてやる…。」   「だぁー!?姉ちゃん!また脅迫か!?」   「いいもん。これはこれで楽しみだから…。」   そう言って出ていく私を秋人は引き止める。ふっふーん。秋人ってば、これに弱いのよね。   「わかったから!遊ぶから!」   「え?本当?仕方ないなぁ。秋人がそう言うんだったら…。」   「そっちが無理矢理言ってきたんだろうがぁ!?」   『ねぇ、大きくなったらお姉ちゃんと結婚しようか?』   『うん!いいよ!』   耳元で、あの時の会話を聞かせると大人しくなる秋人。   「ぐぐぐぐ…。」   「ごめんなさいは?」   「ごめん…。」   「え?聞こえないなぁ。」   可愛い過ぎるから、ちょっと追い詰めてしまう。わなわなと震える姿も可愛い。   「ご、ごめんなさい…。」   「よし、じゃあゲームでもしようかぁ。」   そう言って私は服に手をかける。   「なんで脱いでんだよ!?」   「あんたの部屋、暖房効きすぎー。」   「消すから!消すから脱ぐのをやめろぉぉぉぉぉ!!」   「えー?本当は嬉しいくせにー。」   顔を真っ赤にして私を止める秋人。 …、本当にからかいがいがある子なんだから♪
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