プロローグ

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3月。 湘南の海に面した公園で、俺と佑はキャッチボールをしていた。 先週、俺と佑は中学を卒業した。 俺は、予定通り(?)私立武蔵第二高校へ。 佑は、県立湘西高校へ。 それぞれ進学が決まった。 「硬球はすべるんだから、もっと体使えよ」 「うん。でもやっぱり投げづらいね」 バシッ。バシッ。バシンッ! 段々と俺のグローブの音が大きくなっていく。 佑は小学校時代、俺のキャッチャーだった。 しかし肩の良さを買われ、中学に入ってからはピッチャーになり、3年の頃には野球部のエースになったらしい。 「やっぱり、もったいねーな」 「え?」 「こんな球投げられるんなら、もっとちゃんとした私立で甲子園目指せんじゃねーの?まぁ、俺いるから無理だけど」 「夏希と違って、おれは野球だけじゃないからさ。」 「ふーん。まぁどっちでもいいけど。」
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