プロローグ

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バシンッ! 「さてっと、そろそろ帰るか。」 「最後に1球、本気で投げてよ。」 佑はしゃがみ込んでミットを構えた。 「止めとけよ。ケガするから」 「小学生の頃は毎日捕ってたじゃん。日本選抜の球見せてよ。」 「あっそ。知らねーかんな」 俺は大きく振りかぶった。 俺のいつも通りのフォーム。 しかし、佑から見たら一切無駄のない流れるようなフォームだった。 それは佑が今までに見たことがない程、きれいなフォーム。 バスーーン!! 「お!やるじゃん♪」 「いってーー。まぁこれでも元女房(キャッチャー)だからね。」 「やめろよ!気持ちわりーな」 「いつか、今みたいな球投げれる様に頑張るよ」 「お前には一生無理だから♪」 佑の左手はまだ、しびれていた。
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